ビチェカさんを中心に活動しています。そこに、以前JSCで働いていたハムソックさんが今年復帰し、更に充実したスタッフ陣になりました。
彼らは、これまで600もの村があるバンテアイミエンチェイ州を限られた人数で駆け回って活動してきましたが、今後は、いくつかの村を選んで、集中的にサポートしていくとのことでした。
より効率的な支援活動を展開していくそうです。
開発支援
家の支援
10年前に比べると、シソポンの村々の状況は大分改善されてきました。幹線道路は舗装が進み、家も茅葺きからトタン板や木造の家をたくさん見かけるようになりました。
しかし、支援を必要とする人たちは、まだまだ沢山いるのが現状です。
自分の畑を持てず1日5ドルの小作で暮らす人たち、地雷事故で体が不自由になった人、病気で働けなくなったシングルマザー、障がいのある人たちなど。
支援した新しい家の隣にある古い家を見ると、これではとても雨露もしのげなかっただろうと思えます。
「家の支援」はこれからも必要になるでしょう。
障がい者のための家 2軒
地雷事故に4回遭った男性は、ご自分の畑はなく、小作で生計を立てています。タイ国境に接する地域では、野生の象や虎が出るそうです。新しい家はしっかりした造りのため、安心して暮らせるようになりました。
貧しい家族のための家 2軒
40歳男性。夫婦と子ども6人の8人で古くて狭い家に暮らしていました。
牛銀行 3家族
牛を飼育することで、米作だけでなく、他の収入を得ることができます。
牛銀行では、子牛が生まれると一頭目と三頭目はJSCに返還しますが、二頭目と四頭目以降は自分たちの所有になります(詳しくは2006年の支援へ)
牛の飼育を始めてからタイへの出稼ぎをしなくて良くなったそうです。
障がい者、貧しい家族のための少額ローン 5家族
毎朝、池から空心菜を収穫して市場で販売していている家族に少額ローンを支援しました。
今までは、一日2.5ドルでボートを借りていましたが、250ドルの少額ローンで自分のボートを持つことが出来ました。
ボッサム村への少額ローン 30家族
多くの農家の収入源は米作りですが、この村では灌漑インフラは未整備なため、乾季には米を作れません。そのため、これまで農閑期には、多くの農民が国境を越えてタイに出稼ぎに出ていました。
出稼ぎに行かなくても村で生活ができるようにするためには、米の収穫量を上げることが必要でした。
従来、村では田んぼへの『直まき』をしていましたが、JSCが田植え講習会を開き『苗床を作り、田植えをする』方法を指導しました。
ただし、新しい方法を導入するためには、種を買い、苗床を準備するお金や、新たに農機具の購入、灌漑整備を整えるための資金などが必要となりました。しかし、貧しい村の人に融資してくれる銀行はありません。
そこで、JSCではボッサム村の30の農家に各300ドルの少額ローンを提供しました(融資期間は5年間)。
これにより、水路の整備や、農機具の購入などに投資して米の収量アップを図ります。
村の人たちは自分たちで委員会を作り、共同責任でローン返済を行い、利息の一部は村の福祉活動資金するシステムです。
本当に貧しい家族への支援はもちろん大事ですが、少額ローンのような生活改善のための支援も大事になってきました。
教育支援
地方の貧しい農村では、今でも子どもを小学校には通わせても、体が大きくなって農作業ができるようになると、学校を途中でやめさせてしまう家庭が多いのが実情です。
多くの子どもたちが将来「先生になりたい」「医者になりたい」「警官になりたい」と夢を語る一方で、学校は行きたいけれども経済的に難しいという子どもたちが多いのです。
そこで、かんぼれんでは学用品(文房具や教材、制服、バッグなど)、お米による奨学金、奨学金、あるいは学校まで遠い子どもたちに通学用自転車などを支給することで、多くの子どもたちが勉強を続けられるようにサポートを続けています。
イエズス会サービスカンボジアでは、2年前シソポンに、高校までの一貫教育するザビエルスクールを開校しました。
JSCでは従来の教育支援に加えて、村々から「経済的に進学が難しいけれども勉強を続けたい、と希望する成績優秀な生徒」をこのザビエルスクールで学ばせる奨学制度をスタートしました。
今は5人が寮に住んでザビエルスクールの中学校に通っています。かんぼれんによる教育支援がさらに高い教育までつながるルートができました。
通学用自転車 50台
小学校は各村にありますが、中学生になると家から学校まで3~5kmと遠くなります。自転車を買えない家庭の子どもたちのために、中古自転車を提供しました。日本製の中古自転車は1台$50です。
ラジオ教育プログラム
8番組×4回放送
2017年は8つのテーマについて、1回1時間、再放送が各3回行われました。テーマは「障がい者」「子ども」「女性」「出稼ぎ」「薬物乱用」など、成人に対しての啓蒙を目的としています。
写真右はドラッグから立ち直った男性へのインタビュー。毎回視聴者から大きな反響があります。2016年にも支援をしました(→2016年「ラジオ教育プログラム」)。
Light of Mercy Home 子どもの家
JSCが運営するプノンペンにある障がいのある子どもたちの施設です。
ここでは、身体障がい、視覚障がい、聴覚障がいなど様々な子どもたち30人以上が助け合いながら暮らしています。
今年もカンボジアの伝統舞踊や音楽演奏などで大歓迎してくれました。
今年のツアーでは、スタッフのシスターが長年対応に苦慮していた盲ろう(目が見えない、聴こえない、話せない)の女の子が初めてココナッツダンスを披露してくれました! ダンスを上手にリードしてくれていたのは聴覚障がいの聴こえない少年です。 どうやってダンスを覚えたのでしょう?
この少女、毎年みんなと同じ衣装を身に着けていなかったのですが、今年は踊りの衣装着てなんとダンスを披露してくれたのです。本当に感動的でした(写真:少年とダンスをする少女)。