2008年の支援報告

2008年支援一覧
  1. JSC シソポン事務所スッタフからのメッセージ
  2. Yeay Ort村の小学校新校舎建設
    1)2008年 Yeay Ort村の小学校の先生方との話し合い
    2) 2009年 新校舎完成、落成式
    3) JSC、かんぼれんの目指す教育

2008年は、イエズス会サービスカンボジア(JSC)シソポン事務所のプロジェクトの中から、Yeay Ort村の小学校の新校舎建設を支援しました。

1. JSC シソポン事務所スッタフからのメッセージ

かんぼれんの皆さんの寛大さによって先生たちの長年の夢が実現されました。新しい校舎は子どもたちの喜びでもあります。これまで先生たちにとって無理であった授業ができるようになり、子どもたちはもっと良い環境で勉強ができるようになりました。ありがとうございます。

2. Yeay Ort村の小学校新校舎建設

Yeay Ort村の小学校

Yeay Ort村は、カンボジア北西にあるBanteay Meanchey州の州都シソポンから国境の町ポイペトまで走る国道5号線の中ほどにある小さな村です。Banteay Meanchey州はタイとの国境にあり、地雷がまだ多く残る地域です。

村の人口は1622名、その44%にあたる716人が15歳以下の子どもたちです。
この村の人々は、農業や小さな魚を釣ったり、鶏やあひるを飼育して生計を立てています。
また、村の15%くらいの人は国境を越えて隣国タイへ行き、農業や建設現場で働いているそうです。村人の収入は非常に少ないため、村で学校を建て替えることができない状態でした。

2008年5月 Yeay Ort村の小学校の先生方との話し合い

2008年5月スタディツアーでシソポンを訪れた際、JSCシソポン事務所のスタッフより「かんぼれんの2008年の支援はYeay Ort村の新校舎建設をしてほしい」との要望がありました。
スタッフによると、現在優先しているのは『教育』のプロジェクトとのこと。

2008年5月スタディツアー時に、JSCシソポンのソクエンさんの司会でYeay Ort村の小学校の先生たちと話し合い

そのため、かんぼれんスタッフはJSCシソポンスタッフと共にYeay Ort村の学校を訪ね、先生たちと話し合いの時間をもちました。3教室ある木造の古い校舎は、天井や壁に穴があいている状態でした。その上、教室の仕切りの壁が天井まではないため、隣りの授業中の声が雑音になっている状態でした。

話し合いの席で、先生方は「隣りの教室の雑音で落ち着いて授業ができない」、「雨季には雨漏りで休まなければならない」、「一つの教室で違う学年のための授業を同時に行わなければならない」等、新校舎が必要な状況を切々と語られました。そして、新校舎建設のために、村人自身も建設予定地の整備などをすることが説明されました。
先生方の教育への熱心さ、新しい学校への夢が私たちにも伝わり、話し合いの上、かんぼれんは学校建設を支援することに決めたのでした。

見送ってくれた小学校の子どもたち

2)2009年2月 新校舎完成・落成式セレモニー

完成した小学校の新校舎
落成式のセレモニー
新しい教室

新校舎の落成式が2009年のスタディツアーの訪問日に合わせて2月11日に行われました。
大変珍しいことだそうですが、州知事も迎え、カンボジア式のセレモニーが盛大に行われました。


その中で、JSC代表のデニースさんを通し、かんぼれんは州知事より勲章を頂きました。私たちはそのために支援をしているわけではありませんが、活動が認められることはうれしいことです。


カンボジア式セレモニーは僧侶の儀式から始まりました 。
校舎建設の準備にも関わった村の人々もたくさん式典に参加していました。

写真は、左からかんぼれん代表ボネット神父、校長先生、州知事、JSC代表Sr.デニースさん、JSCシソポン事務所代表ソク エンさん。

落成式後初めて教室に入る子どもたちは喜びにあふれていました。

新しい教室に入った子どもたち
先生方、右の男性は校長先生

3) JSC、かんぼれんの目指す教育

学校が完成し、村人たちや子どもたちに喜んでいただけましたが、JSCやかんぼれんが目指す教育は学校を建設したら終わりではありません。

これからも、JSCが行っている

・先生たちのための研修会
・勉強が遅れている子どもたちのための補助授業の手当て
・移動図書館のための新しい本の印刷
・最も貧しい家族のこどもたちや障がいのあるこどもたちのための奨学金


などが必要不可欠です。

JSCではYeay Ort村だけでなく、その他の学校のためにもこれらの支援をしています。
これらは2~3年で終わるものではありません。私たちかんぼれんもそれに協力をし続けたいと思います。