2024年スタディーツアー日記

勝間田 大喜

2024年スタディーツアー日記

2/24(土) 成田空港には一番についた。
飛行機で移動。乗換えのホーチミンはとても暑い。
プノンペンはスリランカのコロンボに近い感じがした。
イエズス会の修道院で夕食、マンゴーがとても美味。パクチーは耐えた。

2/25(日) 午前中、見学したトゥールスレン虐殺博物館は生々しく、死のにおいがした。
床には血痕などが残っていた。これでも整えられたらしい。

キリングフィールドの供養塔は内部に遺骨が収納されている。
頭骨よりも腕や足の骨がかえって心に響いた。
どちらも、のどかで良い場所に立地していた。

それから、子どもの家Light of Mercy Homeを訪問した。
頼もしいシスター アン マリの元で子どもたちは楽しそうにしていた。英語も上手。
自分はうまく話せなかった。敷地内でナマズを育てて食用にしているのが印象的だった。

Light of Mercy Home 子どもの家

2/26(月) 午前中は移動。シェムリアップの空港は新しくてきれいで空いていた。
プロペラ機でテンションが上がる。途中トンレサップ川がよく見えた。
シェムリアップのホテルは観光客が減って休業中が多い。

14時30分頃シソポン着。
JSC事務所で説明を受ける。責任者のビチェカさんが説明してくださった。
想像よりも遥かに広大な領域をカバーしていて驚いた。
支援の具体的内容や仕事の丁寧さもよく理解できた。

2/27(火) 8時に事務所出発。午前中は5か所6人、午後は2か所4人を訪問。

支援している人々の中でも状況に差があり、米から酒を造って生計を立てている家族は明るく、両親がいる方が子どもも元気そうだった。
どの家でもニワトリを飼っていて鳴き声がする。
食用と売りに出している。

両親がいなかったり、タイに出稼ぎに行っている子どもも多い。
その先の労働条件も良くないようだ。

この2月に地雷被害にあった人もいた。これにはとても驚いた。

2/28(水) 8時に出発。ホームガーデンなどを見にいく。なかなか立派である。
1日3ドルほどの収入になる。牛や池があるとやはり安定する。

小学校で昼食。

子どもたちに紙飛行機の作り方を教えた。
とても喜んでくれた。
先生にも頼まれたので来年も来ようと思っている。

田舎の道は大変な悪路で車の底が何度も擦り、心がすり減った。

2/29(木) 午前中はザビエル・スクールを訪問。
とても広くて立派で、かわいい校舎だった。
責任者は熱心な方で、現状の良さと困難さを丁寧に説明して下さった。
卒業生は大半が何らかの形で学業を続けているらしい。とても良いことだと思う。しかし教師不足や予算不足が苦しいとのことだった。

昼食後、シェムリアップへ移動。
午後はHALOトラスト(地雷撤去NGO)を訪問し説明を受けた。
本部人員わずか300人で世界中に活動を展開していて、すごいと思う。
地雷は初めて現物を見たが、とても小さく軽い。
その他にも多種の不発弾等もあり、地雷除去の具体的なやり方の説明も興味深かった。

夜アプサラダンスをみた。音楽は心に響くものがあった。そしてご飯は大変美味しかった。

3/1(金) 7時30分に出発し、ベン・メリアへ向かった。
朝は自分達しかおらず、森の大樹に飲み込まれつつある崩れた大寺院はとても幻想的であった。世界にはこんな場所があるのか、とただ息を飲むばかりである。
写真にうまく写らず難儀したが、日が出てくると人も増え、同時に写真も良いものが撮れた。

昼食は市中心部のオールドマーケット、クメールキッチンというレストランでとった。
味がよく、安い。この後もここを使いたい。

18時にボネット神父さんたちとお別れ。
メッタカルナの夕食は素朴だがとても美味しい。私は更に5延泊した。

かんぼれんの活動以外 

空港と発展具合

隣国ベトナムの首都ホーチミン上空に近づいた時から感じていたことであったが、高層ビ
ルが林立し、日本の地方政令指定都市よりもよっぽど活気があり発展が感じられる。
ホーチミンの空港はハブ空港であることもあり混み合っていたが、プノンペンの空港はそ
れほどでもなかった。

最近新たに建てられたシェムリアップの空港は、広く立派である一方人通りはほとんど見
られない。これは中国資本により建設された空港で、当初の予想よりも観光客数が大幅に下回ってい
ることが理由であるようだ。

それぞれの空港からの移動はプノンペンではイエズス会の神父さん、シェムリアップではドライバーのケオ氏が担ってくれた。シェムリアップ空港周辺は土地が中国系企業に租借されており、ケオ氏はそのことを憂いながら私たち一行に教えてくれた。

街並みと交通

 自分はカンボジアを訪れる以前、アジアでは香港とスリランカを旅行したことがある。
プノンペンの街並みはそれらと似て、東南アジアの都市らしい混沌と活気に溢れている。

前の二つと比較すれば、香港ほどは公共交通機関が整っていないように思えた。スリランカの首都コロンボも公共交通機関は整っておらず、バスとトゥクトゥクが主流であるがプノンペンの交通事情はそちら側に近い。

また、コロンボは区画割りがめちゃくちゃで道路も曲がりくねっているのに対して、プノンペンの道路は計画的に整備されており基本的に直線だ。
街の周囲をめぐる何重かの道路は東京の環7、環8、外環道を思わせる。


プノンペンの街の中心部(独立記念塔の辺り)は広い敷地に立派な建物が立ち並び洗練された雰囲気がある。近年は観光客のためのプノンペンのホテル3階のベランダから遠景に高層ビルが見える。

エリアも開発されており、小綺麗ではあるが当然全てが観光地価格である。
電線はこれでもかとばかりに複雑に絡まり合い、よく停電や漏電、ショートがおきないなと不思議に思う。もしくは起こっても気にするほどのことではないのだろう。

プノンペンで特に目につくのは、どこの家の軒先にも何らかの花が植えられ、それぞれに世話されている光景だ。花という人の心を楽しませる以外の役に立たない存在が、このように大切にされているのは何とも言えない嬉しさがある。

シソポンの街を貫く国道にもゴールデンシャワーの木が植えられており、見事な花がついていた。私はこの花をスリランカで初めて見、現地の人に名前を教わったのだが(和名はナンバンサイカチである)、それ以来この花がとても好きなのだ。

宿泊

自分達が泊まったのは(メッタカルナを除いて)高級ホテルではないが決して粗末なグレードのホテルでもないように思っている。
プノンペンで宿泊したホテルも、シソポンで滞在していたホテルも清潔感は日本のものと比べるべくもないがきちんとエアコンがかかり、温水シャワーが使えた。
シーツは清潔でとても気持ちよく過ごすことができた。

一方、蚊や小蝿などの虫は気になることが多々ある。
シソポンのホテルでは夕食中、照明に誘われた虫が大量に集まり食事どころではなくなってしまうことさえあったので、困った。

現代人にとって必要不可欠な電気と電波だが、コンセントは自分がきちんと複数種類のコンセント端子を持っていったので使えないことはなかった。電波について、安定して強く使えるということは全くないものの、連絡を送受信する程度であれば全く不自由がないレベルである。

メッタカルナについては、ホテルではないので事情が異なるが、部屋にエアコンはなく、そもそも窓が密閉され得ない構造であるため大変困った。
どんなに暑くても扇風機で涼を取るしかなく、虫に対しては蚊帳で完全防備するほかなかった。

メッタカルナで泊まっていた部屋 奥にシャワー室がある

ただ、暑さについては、日陰であることから扇風機の風に当たっていれば耐えられないものでもない。部屋のすぐ外に冷蔵庫があり、私は浄水器から水を汲み出してはピッチャーにいれて冷蔵庫で冷やし、それから涼を取ることもした。

虫に関しては、部屋の二箇所に蚊取り線香を設置したのが大変効果的であった。
朝起きると虫たちの死骸が積もっていて、それを箒で履かねばならないのは心苦しいものがある。

メッタカルナのシャワーは水しか出ないものであるが、毎日炎天下であるため水で全く問題はなかった。しかし、日が暮れる前に浴びなければ寒くて全く心地良くない。
むしろ洗濯をそのシャワーの水で行い、洗剤も使い慣れない粉を揉み込んで洗う仕組みであることの方が苦戦した。
ただしカンボジアの強い日差しの中に干しておけば、ものの二時間程度で全てが乾燥する点だけは大変感謝している。

食事について

カンボジアは全国的にお米が大変よく取れる。新潟県が裸足で逃げ出す勢いで取れる。

しかも我々日本人に親しいジャポニカ米とさほど違いのないお米だ。
コシヒカリのようなモチモチ感は少なく、ササニシキのようなカレーによく合うパラパラ感が強いお米である。

そうした事情故に食事は基本的に白米を中心とした日本の家庭料理のような温かい雰囲気のものが多い。

逆に言えばあまり派手さや非日常感は多くない。
味も日本人の舌に馴染む素朴なものが多く、端的に言って美味しかった。

私がカンボジア滞在中、特に好んで食べた料理をいくつか紹介させてほしい。

まずは空芯菜の炒め物。
これは中華料理屋で出てくるような炒め物なのだが、辛いタレがついていて空芯菜の食感も良く美味しい。どこの店にも必ずあるので、我々は基本的に頼んでいた。
前菜として出てくるのだが、見た目よりも脂っこく、想像以上にお腹に貯まる。
これとご飯だけで一食とすることも可能な範囲だろう。

もう一つはロックラックである。
一口サイズにカットしたステーキに甘辛のタレが絡まっていて、それをライス、目玉焼きと共に食べる。私はこれを朝から食べていたのであるが、1日中動き回る活力が得られた。
肉は牛や鳥など選べるのだが、日本人として牛は高級感があるので毎回牛にしていた。

こちらの牛肉は身が締まっていて無駄な脂肪がなく、柔らかくはないが美味しく食べやすい。これは鶏肉の方がより顕著で、日本のブロイラーよりも数倍健康的に育てられており大変美味しい。田舎ではどの家に行っても鶏を育てているが、高級感のある言い方をすれば地鶏である。

メッタカルナでの夕食 白米と2皿が基本

最後に、パクチーについて触れなければならない。
人によって大いに好みが分かれることで有名な香草だ。
私は遺憾ながらパクチーを受け付けない側の人間である。

カンボジア料理はタイ料理とベトナム料理の影響を強く受け(それぞれの国境に近い地方であればよりその影響が強い)、当然パクチーも多くの料理に使われている。初見では目の前の料理にパクチーが入っているか判断するのは難しく大変苦労した。

パクチーは苦手だがカンボジアに行きたい、という方のために、私が行ったパクチーを避けるための工夫をいくつか紹介する。

まずは、大まかにどのような料理にパクチーが入っているのかを把握することだ。
スープ、つまり吸い物の類にはかなりの高確率でパクチーが入っている。
避けるのが無難だ。

生に近いサラダや魚介料理もパクチーが入っている確率が高い。
見た目の美味しさにつられると大変なことになる。

逆に、上で紹介したような空芯菜の炒め物やロックラックにはパクチーは全く入っていない。他にはパイナップルチャーハンにもパクチーは確実に入っていない。私がこれらの料理を好んで食したのはそのような理由も大きい。

次に、パクチーが入っていないかどうかを確認するフレーズ、パクチーを入れないように頼むフレーズを英語とクメール語で覚えることだ。
英語でパクチーはコリアンダーである。

クメール語は発音が難しいので無理に発音するよりは、指差し会話帳やスマートフォンを駆使して文字で伝える方が確実だろう。

総じて、カンボジアの料理は美味しい。
また料理ではないが、マンゴーが安く美味しいことも併記しておく。

報告会のスタディーツアー報告もぜひご覧ください!

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2004年~2023年の支援報告や報告会動画もぜひご覧ください!

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今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。