2005年は、イエズス会サービスカンボジア(以下JSC)シソポン事務所のプロジェクトの中から村の共同のため池を2個所、障がいのある家族の井戸の修理を支援しました。
1. 村の共同ため池建設 2件
カンボジアの水事情
プロジェクトを決めるにあたり、シソポン事務所のグレッグ神父より「水事情の悪い地域に2つため池を作りたいので、この費用を支援してもらえないか」と提案がありました。
カンボジアの水事情は地域により異なりますが、貧しい人々に与えられる地域は往々にして水事情が悪く、支援先では、井戸まで30分程度かかるとのことでした。JSCでは改善策として、共同で使う大きなため池を作るプロジェクトを行っています。
従来は井戸堀りをしていましたが、大型のものではコストが高く、ポンプなどが壊れた時に部品が手に入らず修理ができないため、結局、短期間で井戸が使えなくなることがありました。
そのため、井戸より雨季に雨水を貯めるため池の方が効率的とのことでした。
今回提案されたため池は、一つは178家族(835人)、もう一つ184家族(961人)を対象としており、どちらも地雷がまだ埋まっている村に作る計画でした。
かんぼれんでは、スタッフで検討して上支援することを決めました。
翌年2006年2月のスタディーツアー時にため池が完成した現地を訪問しました。
ベウン クトゥン村のため池
2006年2月スタディーツアーで支援先の一つ、ベウン クトゥン村(Beung Khtum)を訪問した日には、共同ため池のオープニ ングセレモニーがあり、村中の方々の歓迎を受けました。
池を掘るためには、村周辺がまだ地雷原であったため、まずこの地域の地雷除去するCMAC※による地雷除去が必要でした。地雷除去後、ため池建設のためシャベルカーで地中を掘ると、新たに地雷が見つかったそうです。
※CMAC(カンボジア地雷対策センター):カンボジア政府直轄の地雷除去団体
完成したため池は、30m×40m×深さ3m、深い池に子どもや家畜が落ちないように村人自身も費用を負担し、いばらの付いた枝で策を巡らし、池に降りる階段を設置しました。
この周辺の井戸は土壌に毒素を含んでいるため、これまで毎日飲み水のために、何キロも先まで水汲みに行ったり、買わなければなりませんでした。今回、ため池が出来たことにより、今後は雨期に雨水をたっぷりと貯めることができ、乾期も乗り切れるようになるそうです。
ベンスナオ村のため池
もう1つのベンスナオ村のため池は、まだ建設中のため、建設現場を見てきました。
初の予定では完成しているはずでしたが、地雷除去に手間取り、昨年は雨期が例年より長引いたため、完成に時間を要していました。
この村でも、地雷除去をしたはずの地中から不発弾が出てきたとの報告がありました。
2. 井戸の修理 1件
フエさん(地雷で左足を失った男性)の家の井戸の修理をしました。
タイ国境付近の森まで100mというまだ地雷が埋まっている地域住み、2004年10月に地雷を踏んで左足を失った方です。
井戸の深さは12mあり、壊れて使えなかったため、以前は国境を越えてタイまで水を買いに行っていたそうです。