2011年はイエズス会サービスカンボジア(以下JSC)シソポン事務所のプロジェクトの中から、障がい者のための家、農業ローン、教育支援、通学用自転車、お米による奨学金、小学校の屋根の修理に支援をしました。
そして、今回から支援を始めたプノンペンの障がいのある子どもの家Light of Mercy Home子どもの家からも報告書が届きました。
JSC シソポン事務所スッタフからのメッセージ
2003年JSCとかんぼんれんとの間に『友情の橋』が作られました。
もっとも貧しい人々、障がい者、苦しみの多い人たちを支援するために、今もなおその橋は確かな基礎の上に立脚しています。この橋を見て、私たちの心は誇りと喜びでいっぱいです。
この橋は、希望を失っていた人々がひとすじの希望を見出し、人間としての尊厳を取り戻せるように重要な役割を果たしています。この『友情の橋』の当初からの目的は、支援を必要としている人々のために、より良い、正義に適った社会を作り上げていくことでした。
これまで、9年間、私たちはミッション(使命)とビジョン(夢)を実現するために、共に歩みながら、多くのプロジェクトを実行してきました。そのミッションとビジョンとは、最も貧しい人々の尊厳と福祉、権利を維持するため、またカンボジアの社会において正義に適った関わりを実現するために、忘れられている人々の共同体と共に歩み活動することです。
私たちの『友』であるかんぼれんが、いつも私たちと共に歩んでくださっていることは、大きな喜びです。手をつないでいつも歩むことは、喜びも悲しみも分かち合い、経済的な援助と共に支えと励まし、ケアと愛情を与えて下さっているということです。
かんぼれんは、多くのプロジェクトを支えています。かんぼれんの名は、カンボジアの貧しい人々や障がいを背負っている人々の心に刻まれています。その刻印は消えることがありません。
開発支援
障がい者、貧しい家族のための家
JSCでは、単に家を提供するだけでなく、家族状況を調査し、それぞれの家族の自立に向け、継続的な支援を行っています。
家を建てる時にも、家の骨組みや土台の建築を提供し、壁や屋根は家族が負担をするなど、それぞれの家族がでできることをしてもらっています。
家族が協力して仕事をし、子どもたちは勉強に励むことができるよう、教育、就労、車椅子、病院への手配など、きめ細やかな支援を継続的に行っています。
右膝下を地雷で失った男性(54歳)、4人家族
左足を地雷で失った男性(46歳)、6人家族
3. 教育支援
学用品
・学用品(文房具、教科書、制服など)279人、
・中学生が通学に使う自転車27台、計306人の子どもたちに支援をしました。
お米による奨学金
JSCには、両親に障がいがある家族の子どもたち向けに、お米で支給する奨学金制度があります。
今回、かんぼれんでは小中学生43名に支援をしました。
奨学金を給付する子どもには、学習到達度もチェック!
JSCシソポンのスタッフは、奨学金を継続して提供するために、当事者である子どもに対し、定期的に学習の到達度チェックをしています。学習の成果がみられない時は、奨学金の支給を打ち切ることもあるそうです。
通学用自転車 27人
自転車で何十分もかけて通学する子どもたちに、将来つきたい職業について質問すると、「医者」や「学校の先生」と応える表情には『学べる』ことへの喜びや希望が溢れています。教育支援のさらなる充実のために、支援の輪を広げることの重要性を強く感じます。
学校の屋根修理 2件
1)ソクサン小学校の屋根
ソクサン村の小学校は、2000年にJSCシソポン事務所が建てたもので、現在児童数は230名。
キースレン校長(37歳)は2001年から小学校や移動図書館で働いるとても優秀な方で、現在は近隣5学校の教師育成の役割も担っています。
その校長より、屋根がスレート製で教室内が暑いため、熱を吸収させるよう天井に板を貼ってほしいとの要望がでていました。
今回の支援では、小学校の屋根の張り替えと断熱材を入れることにより、暑い時期でも涼しく勉強ができる環境を作ることができました。
2)ソクサン小学校隣りの学習室の屋根
学習室は、2007年にかんぼれんが支援して造った建物です(→詳しくは2007年支援)。
貧しい家庭の子どもたちの補習授業や、図書館のために建設された学習室の屋根を修理しました。
学習室は月曜日~金曜日まで開かれており、図書コーナーもクメール語のさまざまな絵本が揃えられていました。
Light of Mercy Home 子どもの家
子どもの家とは、JSCが運営するプノンペンにある障がいのある子どもたちの施設です。
ここでは、身体障がい、視覚障がい、聴覚障がいなど様々な子どもたちが助け合いながら暮らしています。子どもたちは公立学校やNPOが運営する障がいに応じた学校に通っています。
『子どもの家』への支援を始めました
カンボジアでは、障がいのある子どもたちを受け入れる教育体制は不十分で、障がいのある子どもたちは、小学校や中学校へ通えない状況にあります。
バブル経済に沸く現在でも、その状況に大きな変化はみられないようです。その意味でも、『子どもの家』は子どもたちにとって重要な存在です。
そんな『子どもの家』の財政状態が厳しいと知り、かんぼれんでは2011年から支援を始めました。少しでも子どもたちの食生活を支えたいと思っています。
『子どもの家』スタッフからのメッセージ
「かんぼれんからの支援は、子どもたちにとっても、スタッフにとっても大きな励ましとなっています。
あなた方の訪問は、いつも愛情と慈しみを分かち合うすばらしい時となっています。
愛と慈しみをもって、これまでとは違う新しいより良い世界を作れます。
神の祝福が豊かにありますように。」