2006年の支援

2006年度は、シソポンのイエズス会サービス・カンボジア(JSC)シソポン事務所のプロジェクトの中でも、牛銀行、学校の机・椅子、車椅子、移動図書館、通学用自転車、奨学金、職業訓練等への支援を行いました。2007年3月のスタディーツアーでは支援先のいくつかを訪問しました。

2006年支援一覧

1.開発支援

  • 牛銀行 5家族
  • 職業訓練

2.教育支援

  • Soksan村の小学校の机・椅子 52台
  • Nimit Thmey村の小学校へトイレ設置
  • 奨学金
  • 通学用自転車
  • 移動図書館の図書、運営費 15館

3.車椅子支援

  • 車椅子 15人

 

1.  開発支援

牛銀行 Cow Bank 5家族

生計維持者が地雷で被害を受けた5家族に支援しました。

牛銀行とは、JSCがメス牛1頭を貸し出し、借り主はその牛を飼育します。子牛が生まれると、1頭目は銀行の利息返済のようにJSCに返し、2頭目は借り主に、3頭目はJSCに、4頭目以降は貸し出されていたメス牛(親牛)と共に借り主のものになります。交配するオス牛は借り主が自分で借りて交配させます。オス牛の持ち主には子牛ができた時に$8(1000円)程度支払われます。地雷で足などに障がいを受けた方にとって、農作業は大変な労働ですが、牛銀行は常に目の届く家の近くで牛を育て、貴重な現金収入を得られるシステムです。借り主が柵を作り子牛を産ませ育てます。

牛の種類はカンボジアの気候に合った飲み水をあまり必要としない種類です。

オス牛 $100 (12,000円程度)
オス牛 生後2~3日 $300 (36,000円程度)
メス牛 3歳(成牛) $500 (50,000円程度)

 

2. 教育支援

Soksan村の小学校の机・椅子

Soksan村(ソクサン村人口882人・165世帯)の小学校に机(机と椅子の一体型)を52台支援しました。
1998年に村の人たちの手で木造の屋根だけの学校を作りました。ところが、翌年壊れてしまったため、JSCが現在の校舎を建て、机も新しく72台を用意しました。その後、机は壊れて2005年には32台まで減りました。残っていた机も痛みが激しいため、昨年学校が州に依頼し、新しい机が20台提供されました。しかし、子どもの数が増加する中、まだ不足しているため、かんぼれんで52台支援をしました。

Nimit Thmey村の小学校にトイレ設置

Nimit Thmey村(人口999人/170世帯)の小学校にトイレを作りました。

村の家庭にはトイレがありません。そのため、街に行っても使い方が分からず、特に女性は困っていました。
そこで、JSCが学校にトイレを作り、使い方を教えることにしました。
トイレを設置する代わりに、子どもたちにはトイレ掃除をしてきれいに維持をすることや、校庭の植物の世話を頼み、JSCシソポンのスタッフの方が3か月毎にチェックしています。これらも教育の一環です。

移動図書館

15の移動図書館の図書や備品、司書の給与などの支援をしました。 カンボジアには、学校にも村にも図書館がありません。そのため、村の人が司書になり、自宅で『移動図書館』を開き、村の人や子どもたちに読み聞かせをしたり、本を貸し出しをしています。移動図書館には、絵本や童話、健康に関する本、ファッション雑誌などが置いてあります。

司書は移動図書館の管理・運営の他、村人にどんな本が読まれているか等の報告書を作成し、3ヶ月に1回ミーティングを行い、本の評価や本の交換を行っています。JSCのスタッフは「子どもだけでなく、大人にも読んでほしい。読む可能性を広げたい」と話していました。カンボジアでは、大人でも読み書きが出来ない人が多いため、借金の保証人にさせられたり、給料が少なくなったりすることがあります。移動図書館は村の人々に貴重な読む機会を提供しているのです。

 

3. 車椅子支援

地雷被災者をはじめ、ポリオや脳性まひなど、身体に障がいのある人々15人に車椅子を提供しました。
カンボジアの車椅子は、道路事情が日本と違うため、前輪があり、砂利道やでこぼこ道でも対応できるものです。1台$80(約10,000円)